新入社員に贈るランチの心得
料理研究家・エッセイストとして、企業の方々、メディア関係者、フリーランサー、サラリーマン、学生、主婦といった多様な方々と交流し、食事を共にした中で得た「成功と出世の糸口」。
この記事をお読みのみなさまだけに、そっとお伝えいたします。
4月。新入社員が、期待に胸を膨らませてそれぞれの道を歩み始める季節。 もしかしたら、息子さん、お嬢さん、ご親戚の方などで、就職をされた方もいるかもしれない。 そんな新入社員にぜひアドバイスをしてほしいのが、「成功と出世のランチ」についてだ。
「そんな些細なこと」と思われるかもしれないが、このお昼ごはんの過ごし方で、その後の会社での居心地が変わるとしたらどうだろう。まずは、ご一読のほどを。
新入社員として研修が終わり、配属された部署で最初にお昼に連れて行ってくれるのは、たぶん新入社員の直属の上司だろう。 その上司が馴染みの店でどっかりと腰を下ろし、「あ、いつものきつねそば、大盛りね」と頼んだらどうするか。
そう、すかさず「同じものを」と叫ばなければならない。
それがどうしても食べられないもの以外は、できるだけ「同じものを」と頼むのだ。
座ったとたんに頼む上司は、気が短いことが多い。もしかしたら、45分という昼休みの時間に新聞を読んだり銀行に行ったり、昼食を短く済ませたい理由があるのかもしれない。 そんな時に新入社員が「ちょっと待ってください」と、長々メニューを読み下していたら、どうだろう。
または、「君は何にする?」とメニューを渡してくれる上司もいるかもしれない。 そんな上司は、新入社員がどんな人間かを見ながら、自分の今後の仕事プランを立てていることだろう。さぁ、そこで新入社員はどうするべきか。
喫茶店なら和風のスパゲティ、蕎麦屋ならきつねかたぬき、ファミレス ならおろしハンバーグ…のように、定番で早くできるメニューをいくつ か決めておけば、まごまごせずに注文ができる。 間違っても、ミートソースやナポリタン、カレーうどん、デミグラスハ ンバーグは選んじゃいけない。
慣れない新品のワイシャツとネクタイが 汚れる可能性だけではなく、隣にいる上司の袖に油まみれのケチャップ が飛ぶ可能性もある。
「KY(空気読めない)」などという言葉は個人的には大嫌いだけれど、「想像をして相手のことを慮りなさい」と教えることは、社会人としての一歩を踏み出した人たちに贈るのにはふさわしい話だと思うのだ。
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